エビデンス創出研究の情報源
エビデンス創出のための研究に用いられる情報源には主に次の3つがあります。
- 既発表論文のシステマティック・レビュー(SLR: Systematic Literature Review)による質的・量的統合
- 患者/介護者および医師などの医療従事者に対するアンケート調査データの解析
- 医療情報データベース(レセプトデータ、電子カルテデータ)の解析
研究の目的に応じて3つの情報源を単独あるいは組み合わせて使用します。以下では各情報源の特徴とデータの入手方法について述べます。
SLRによる質的・量的統合
研究目的に合わせて、公開されている論文を漏れなく偏りなく収集し、情報・値を抽出して比較整理します。
最初に、研究目的に合わせて予め定めた検索式に従い、文献データベース(PubMed、医中誌Web、JDreamⅢ、厚生労働科学研究成果データベース、など)より論文を抽出し、重複したものを除外します。その後、研究目的に合わせて予め定めた選択基準によりスクリーニングを行います。選択された研究について、研究デザインごとに研究の質(バイアスの影響など)を評価します(詳細な方法については、正路らの報告1正路 章子、小久保 欣哉、滕 麗達、五十嵐 中、HTAの最新動向・費用対効果分析と薬価戦略への活かし方 システマティック・レビューの仕方~論文の選択と評価~、月刊ファームステージ、2017、17(1)、27-32をご参照ください)。SLRでは、過去の研究報告が豊富であれば、短期間でエビデンスを創出することが可能である反面、過去に実施されていないリサーチクエスチョンにおいてはエビデンス創出が難しくなります。
- 1正路 章子、小久保 欣哉、滕 麗達、五十嵐 中、HTAの最新動向・費用対効果分析と薬価戦略への活かし方 システマティック・レビューの仕方~論文の選択と評価~、月刊ファームステージ、2017、17(1)、27-32
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