倫理審査委員会への申請・審査の流れ
- 研究計画書の作成:
研究をおこなうにあたっては、あらかじめ研究計画書を作成しなければなりません。目的、方法、研究対象者の取り扱い、リスク評価、謝礼の支払い、結果の公表計画など研究計画書に記載するべき内容についても倫理指針に定められています。研究の一部をCROなど外部パートナーに委託する場合には契約を締結した上で、その委託範囲と委託先を研究計画書に記載する必要があります。
- 倫理審査委員会への申請:
審査委員会に研究計画書を添えて申請書を提出します。申請書を始めとする書式は倫理審査委員会により異なることもありますが、研究者の情報、研究者が所属する組織の情報、利益相反に関する情報、研究対象者から同意を取得する方法などは必ず求められます。同意取得については、「医学系研究における患者同意の取得」の項を参照してください。
- 審査委員会による審査:
審査委員会は、研究計画書及び添付資料をレビューし、研究計画書だけでなく、研究者や研究者が組織する組織の利益相反も含めて倫理的観点及び科学的観点から実施の可否について意見を述べます。審査委員会は、委員会設置者の所属機関外の者を含む5名以上の男女で構成され、少なくとも自然科学の専門家(医学・医療分野など)、人文・社会科学の専門家(倫理学・法律学など)、研究対象者の視点を考慮する一般の立場の者を含む必要があります。多くの場合、審査委員会では研究者が研究について説明し、委員からの質疑に回答することが求められます。
- 審査結果の通知:
審査委員会は、審査の結果を申請者に書面で通知します。承認される際には、研究計画書を始めとする資料の一部修正が条件となることがあります。
審査機関や研究の内容によって手続きに違いがあることもありますが、上記が一般的な申請・審査の流れです。このプロセスを経ることに加え、研究機関の長の許可を得ることで、研究計画に基づく研究を開始することができます。審査委員会の審査を受ける必要があるのは研究計画書であることから、研究計画書の変更をおこなった場合は改めて審査を受けなければなりません。但し、軽微な修正である場合は迅速審査と呼ばれる簡易な審査を受けることができます。また、中止を含み研究を終了した場合にはその旨審査委員会に報告することが求められています。
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