主な情報入手先の特徴と参照する際のポイントを下記にまとめます。
- 診断・治療ガイドライン:
基本的にエビデンスの確立された情報がまとまっており、疾患全体像を理解する上で、まず始めに確認すべき情報と言えます。しかし、改訂年度が古い場合や、同じ疾患でも複数のガイドラインが存在するような場合もありますので、参照するガイドラインが適切か念頭に置いて確認する必要があります。疾患によっては、海外のガイドラインも有用ですが、承認薬や保険適用の国内との違いなどにも留意して確認します。
公益財団法人 日本医療機能評価機構が運営する「Minds ガイドラインライブラリ1公益財団法人 日本医療機能評価機構、Minds ガイドラインライブラリ、公益財団法人 日本医療機能評価機構ホームページ、https://minds.jcqhc.or.jp、2024年4月8日」では、国内のガイドラインのデータベースが公開されています。
- 学会や製薬企業のウェブサイト:
疾患の全体像などの情報がウェブサイト上で公開されている場合があります。非専門家を想定して簡潔に情報がまとまっているウェブサイトも多くあり、疾患概要を把握する上で有用です。
(例)MSD株式会社が運営する「MSDマニュアル プロフェッショナル版2MSD株式会社、MSDマニュアル プロフェッショナル版、MSD株式会社ホームページ、https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB、2024年4月8日」は、さまざまな疾患に関して表1の「情報の種類」で挙げた項目などが簡潔にまとまっています。独自の信頼性基準を定めた上で、編集における独立性も担保し、無償で情報を提供しています。
- 医療系メディアのウェブサイト:
学会や製薬企業のウェブサイトと同様に、疾患の全体像などが公開されている場合があります。情報量や提供内容は各メディアによって違いがあるため、メディアの特性や掲載箇所を把握しておくことが有用です。出典の明示および専門医の監修有無などを確認の上、情報の質を総合的に判断します。
- 市場分析データ:
市場調査会社や出版社などの第三者機関による独自の医薬品市場分析データが多く提供・販売されています。調査内容や情報源はさまざまですから、自社のデータ購入状況に準じて、目的に適した資料を確認します。
- 論文:
論文の種類や特徴については「アンメット・メディカル・ニーズ 把握のための論文の活用」の項をご参照ください。
情報を検索する主なデータベースとして、日本語論文なら医学中央雑誌(医中誌)、英語論文ならPubMedなどが挙げられます。ガイドライン、コンセンサスレポート、提言のような情報から症例報告まで、さまざまな情報収集が可能ですから、自身の把握したい内容やエビデンスレベル、インパクトファクターなどを念頭に置いて必要な情報を検索、入手することが重要です。単純なキーワード検索だけではなく、論文の種類やエビデンスレベルなどを絞り込んだ検索もできるため、検索法を理解した上で活用する方が効率的です。
この記事はメール会員専用の記事です。
メール会員登録すると続きをお読みいただけます。