信頼されるメディカルアフェアーズ(MA)部門になるために
MA部門が発信する情報は、会社の正式回答として社内外に認識されることになります。
本社のMA部門所属の社員、MSLは、医師はもとよりMRや他部署からの問い合わせにも正しく答える必要があります。日々進歩する医療技術や医療業界の時流についても常にアップデートし、正確な情報源から情報を入手して社内外に提供することが情報提供の質の担保であり、信頼に足るMA部門を目指すうえでも重要です。
正確な情報源の事例:インパクトファクター(IF)
製薬企業が提供する情報は、虚偽・誇大な内容であってはならず、科学的・客観的なエビデンスに基づいたものでなくてはなりません。
上記の指標の例として、学術雑誌のIFがあります。IFは同じ学術分野の中における相対的な影響力を示した値であり、過去2年間に学術雑誌に掲載された論文の被引用状況を基に算出され、値が大きいほど引用数が多いことを示します。MA部門がコンタクトする医療従事者には研究に携わる医師も多く、論文を紹介または引用する際にはこの値を意識するとよいでしょう。
IFは2024年現在、Clarivate社が運営するJournal Citation Reports™ (JCR)で確認できるほか、Google Chromeの拡張機能を導入することによりPubMed上で確認することも可能です。ただしIFはあくまで引用数から算出した値であり、その学術雑誌・論文の評価を一義的に決めるものではないことに注意しましょう。
医師がMA部門に期待する情報
医師はMA部門からの情報提供をどのように捉えているのでしょうか。MSLやMA担当者が面談している医師324名に対する2020年度のアンケート調査の結果をみてみましょう(表1)。
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