DATuM IDEA®ウェビナー2024
〜自己免疫疾患の診療とデータベース研究〜
本ウェビナーは終了しました。ご視聴ありがとうございました。
TOPPANホールディングス株式会社は、製薬企業メディカルアフェアーズ部門の方々を対象とし、2024年8月26日(月)に「DATuM IDEA®ウェビナー2024」を開催します。
講師に聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center 岡田正人先生をお招きし、「自己免疫疾患の診療とデータベース研究」についての知見を共有いただく予定です。
本ウェビナーが、日々のメディカル業務を遂行されるうえで一助になりましたら幸いです。
ご多用の折とは存じますが、是非ともご参加賜りますようご案内申し上げます。
開催概要
開催日時
2024年8月26日(月)14:00~15:00
講演形式
オンラインセミナー形式
プログラム
<講演1>14:00~14:40
演題:自己免疫疾患の診療とデータベース研究
講演者:聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center 岡田 正人 先生
<講演2>14:40~14:50
演題:DATuM IDEAの展望
講演者:TOPPANホールディングス 事業開発本部 ヘルスデータ事業推進センター 伊藤克高
講演者ご紹介
岡田 正人(おかだ まさと)
<聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center>
1991年より米国のニューヨーク・ベスイスラエルメディカルセンターにて内科研修後、1994年よりイェール大学病院にてリウマチ膠原病内科とアレルギー臨床免疫科にて専門研修。1997年から仏国のパリ第5大学医学部およびNYコーネル大学の関連病院にてセクションチーフを8年間つとめたのち帰国し2006年より現職。愛知医科大学 客員教授、京都大学大学院、東京大学医科学研究所、大分大学非常勤講師。Yale Physician-Scientist Award、ACR Senior Rheumatology Scientist Award受賞。米国内科・リウマチ膠原病内科・アレルギー臨床免疫科(成人・小児)専門医。
(講演抄録)
自己免疫疾患は、免疫系が自己の組織を攻撃することで発症する多様な疾患群を指す。これらの疾患は多くの場合希少疾患であり、単一の医療施設で十分なデータを収集することが困難である。そのため、他施設のデータを統合した臨床研究の重要性が増している。こうした研究は、疾患の理解を深め、新たな治療法の開発や既存の治療法の改善に寄与する。
全身性エリテマトーデスを例とすると、臨床研究におけるClinical Questionを立てるにはまずはUnmet needsを定義する必要があるが、論文化されている臨床データにおける治療経過は現在の診療レベルからはかけ離れている可能性がある。無菌性大腿骨頭壊死の発生率はステロイドスペアリングの早期併用とステロイド減量速度の変化とともに大きく変化しているが、これは他のステロイド関連臓器障害でも同様である可能性が高い。また、治療法の進化により不可逆的臓器障害の頻度は低くなり生存率も大きく向上している。しかし、このようなデータを他施設共同でデータを集めることは、電子カルテの方式や抽出できるデータの種類の違いにより容易ではない。
本セミナーでは、自己免疫疾患の診療においてデータベースを活用する利点について説明する。保険データなどの大規模データを整理し、臨床研究に利用可能な形で提供するシステムの概要を紹介する。このシステムは、多施設から収集されたデータを統合し、研究者が容易にアクセスできるように設計されている。
データベースを利用することにより、次のような利点が得られる。
- 多施設データの統合: 希少疾患の患者データを多施設から集めることで、統計的に有意なサンプルサイズを確保し、より信頼性の高い研究結果を得ることができる。
- リアルワールドデータの活用: 実際の臨床現場で収集されたデータを利用することで、治療の効果や副作用の実態を把握しやすくなる。
- 迅速なデータアクセス: 研究者が必要とするデータに迅速にアクセスできるため、研究の効率が向上する。
- コスト効率の向上: 多施設のデータを一元的に管理することで、データ収集や管理のコストを削減できる。
さらに、データの品質管理にも重点を置いており、データの信頼性を確保するための各種フィルタリングやバリデーション機能が備わっている。これにより、研究者は高品質なデータを基に研究を進めることが可能となる。