慢性腎臓病と臨床検査値-推算糸球体濾過量による腎保護作用の評価

CKDとは

CKDの疾病負担

慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)は腎機能の低下が持続する疾患であり、進行すると末期腎不全(ESKD : End-Stage Kidney Disease)に至り、透析や腎移植といった腎代替療法が必要となります。2014年~2015年時点の日本人のCKD患者数は約1,480万人(成人の7~8人に1人)と推計されています1日本腎臓学会、CKD診療ガイド2024、日本腎臓学会ホームページ、2024年、https://jsn.or.jp/medic/guideline/、2025年10月1日。また、日本では透析患者数が2023年末時点で約35万人存在しており2日本透析医学会、わが国の慢性透析療法の現況(2023年12月31日現在)、日本透析医学会ホームページ、2024年、https://docs.jsdt.or.jp/overview/file/2023/pdf/2023all.pdf、2025年10月1日、透析患者1人当たりの医療費は年間約480万円程度となっています3第28回透析医療費実態調査報告、日透医誌、2025、40(1)、85-92。疾病負担が大きいことから厚労省はCKDを「重点的な生活習慣病」と位置づけ、早期発見・治療介入による透析回避を目的とした「CKD重症化予防事業」などが実施されるなど注目されています4厚生労働省、腎疾患対策検討会報告書 ~腎疾患対策の更なる推進を目指して~、厚生労働省ホームページ、2018年、https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000332759.pdf、2025年10月1日

CKDの重症度とリスク

CKDの診断基準は推算糸球体濾過量(eGFR :estimated Glomerular Filtration Rate)<60または腎障害の所見が3か月を超えて持続するとされており、腎障害の所見として特に蛋白尿が重要とされています*1 。CKDの重症度は、GFRと蛋白尿の2つの臨床検査値により区分されており、GFRが同程度であっても蛋白尿の存在が死亡、ESKD、心血管疾患(CVD : Cardiovascular Disease)死亡の発症リスクをあげることが報告されています。

CKDは腎炎などの一次性疾患と糖尿病性腎臓病や高血圧性腎硬化症などの二次性疾患があります。それぞれでリスクや治療方針が異なるため、原因疾患の鑑別が重要となります。特に糖尿病が原因と考えられるCKDは糖尿病性腎臓病(DKD : Diabetic Kidney Disease)と呼称されることもあります。