3. バイアスへの対処と研究デザインの重要性
観察研究においては、交絡は解析段階で調整可能であるものの、選択バイアスや情報バイアスは解析時に制御が困難です。そのため、研究デザイン段階でこれらを最小化する工夫が極めて重要になります。具体的には、対象者選定の基準を明確にし、曝露とアウトカムの測定をできる限り客観化・標準化すること、交絡を生み出す要因を可能な限り測定しておくこと、ケースコントロール研究においてはできるだけ曝露とは無関係にコントロールを抽出することなどが挙げられます。また、解析後においても、どのようなバイアスが残り得るかを明示し、結果解釈における限界として適切に議論することが重要です。
4. まとめ
観察研究は、倫理的・実務的制約のもとで現実の医療(リアルワールド)を評価できるという強みをもつ一方で、バイアスによる結果の歪みが生じやすいという欠点があります。内部妥当性を確保するには、バイアスの種類を理解し、研究目的に応じた適切なデザイン・解析を検討することが重要です。

東京医科大学医療データサイエンス分野 主任教授
田栗 正隆
たぐり まさたか
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