エビデンス創出戦略策定

エビデンス創出戦略とは

エビデンス創出において予算や時間といった限られた資源を使って最大の成果を上げるには、どのようなエビデンスを、いつまでに、どのレベルで創出するかについて戦略が必要です。製品が対象とする疾患におけるアンメット・メディカル・ニーズ(UMN)が特定され、ギャップ分析がなされ、創出し得るエビデンスの候補が洗い出されたあとは、優先順位を決定する必要があります。その際は①製品価値最大化へのインパクト、②予算や期間といった制約条件、③実現可能性、を考慮する必要があります。

製品価値最大化へのインパクト

製品価値を最大化するためには、疾患領域で製品が充足し得るUMNについてのエビデンスを創出する必要があります。対象のUMNが認知されていない場合、まずはUMNを明らかにする必要がありますし、UMNは認知されているものの製品がUMNを充足し得ることが浸透していない場合は、製品が実際にUMNを充足できること示す必要があります。製品が疾患領域において確固たるポジション1マーケティングにおける自社製品の、競合製品に対する相対的な位置づけのことを指します。競合製品に対して自社製品を差別化できる軸を洗い出すことで、優位点を訴求するメッセージを検討することができます。を築くことを目的と定めた上で、目的達成につながるエビデンスを優先して選択することが望ましいです。

予算や期間の制約条件

ポジションを確立するためには様々な方法があり得ます。例えば、製品が対象疾患のガイドラインに掲載されることを目標とする場合は、大規模なランダム化比較試験やコホート研究など費用と時間をかけたエビデンスレベルが高いエビデンスの創出が必要になります。一方で、費用対効果分析制度に対応するなど締め切りが明確である場合は、エビデンス創出の速度がより重要になります。

目的により必要とされる資源量が異なってくるため、まず目的を明確にすることが重要です。多くの場合エビデンスレベルと速度の間にはトレードオフがありますが、必ずしも単一のエビデンスで目的を達成する必要はなく、時間がかかるエビデンスを準備している間に、簡素な研究によるエビデンスを素早く創出するという戦略もあり得ます。

実現可能性

創出しようとしているエビデンスの実現可能性を確認することも重要です。必要なデータがデータベース上に存在していないこともありますし、仮説を検証するに足りるだけのサンプルサイズを確保できないこともあります。また、技術的には可能であるものの、個人情報保護の観点から許容されないこともあり得ます。

このように制約条件や実現可能性を考慮した上で、ポジショニングへのインパクトが大きいエビデンスを優先的に創出する戦略を立てることで、より効果的なエビデンス創出が可能となります。

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