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観察研究において注意すべきバイアス
観察研究では、研究者が曝露や治療をランダムに割り付けることができません。関心のある曝露を研究者がコントロールできない観察研究において、その効果推定に対して大きな困難となるのが、交絡の問題です。
表1に交絡を例示するための仮想的な研究結果を示します。心筋梗塞未発症の男性において喫煙状況と心筋梗塞発症の関連を調べる際、心筋梗塞を発症しやすい高齢の男性ほど喫煙者が多い傾向があるとします。
このような場合、年齢を考えずに喫煙と心筋梗塞発症の関連を検討した結果(表1)は、喫煙と心筋梗塞発症の間に因果的関連があるのか、喫煙者は年齢が高く、そのため喫煙群に心筋梗塞が多いだけで実際には喫煙と心筋梗塞発症の間に因果的関連が無いのかを区別することができません。
この例での年齢のように、曝露と関連していて疾患発生にも影響を与えるような因子(交絡因子)により、原因と結果の関係が歪められてしまう現象が交絡です。
| 心筋梗塞発生数 | 観察人年 | |
|---|---|---|
| 喫煙者 | 209 | 68,934 |
| 非喫煙者 | 157 | 133,225 |
喫煙群の発生率 = 209/68,934×10,000 = 23.4(10,000人年あたり)
非喫煙群の発生率 = 157/133,225×10,000 = 11.8(10,000人年あたり)
発生率比 = 23.4/11.8 = 2.57
この仮想例では、喫煙群の発生率は10,000人年あたり23.4、非喫煙群は11.8であり、発生率比は2.57と推定されました。しかしこの値は、年齢による交絡によって過大評価されている可能性があります。すなわち、交絡を考慮しない単純な群間比較では、曝露とアウトカムの間の因果関係を適切に評価することができません。
本稿では、観察研究における代表的な交絡調整法である層別解析と回帰モデルについて、その考え方と実践上の留意点を解説します。

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