MSL認証と求められる資質

認証評価基準は以下の3点に基づきます。

  1. 販促活動からの独立性(コンプライアンス体制)
  2. 医学・科学性
  3. 教育体制

この3つの観点をもとに評価基準が構成され、評価視点と要素が細かく定められています。認証審査では、これら評価基準に従って書面調査と実地調査を行い、申請企業におけるMSL認定制度が適切かどうか評価されます。初回審査料は2,600,000 円、2年後の初回モニタリング審査は1,500,000円、4年後の更新審査は2,000,000円とされています。認証を受けた企業はMSL認証マークを使用できます。

なおMSL認証制度を持つ企業の審査・認証だけではなく、適切なMSL活動の発展を目的として、MSL認定制度を定めていない企業からの制度設計の相談も受け付けており、エマージングバイオファーマなどの新興企業にとっては制度設計の相談先となり得ます。

PMRJによるMA分野エキスパート認定

MSL認定とは若干異なるものの、類似の資格に一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)が提供する「メディカルアフェアーズ(MA)分野エキスパート認定」があります1一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)、レギュラトリーサイエンス エキスパート認定制度の概要、一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)ホームページ、https://www.pmrj.jp/nintei/html/frm010.php、2024年10月18日

PMRJ指定の研修会の受講と試験、継続的スキルアップが要件となっており、認定試験合格者にはMA分野エキスパート認定証が発行されます。

MA部門担当者は、製薬企業の他部門から異動してくる場合も多く、短期間で知識を習得することが求められます。研修内容は、日本製薬工業協会(JPMA)が公表している「MSLの目指すべき方向性」および「MSL研修プログラム例」に記載の内容で構成されており、他部門からの異動者もキャッチアップしやすい内容となっています。具体的には、MA部門の主な業務と役割、研究倫理、医薬品開発概論、臨床研究、データベース研究、医療経済評価、ビジネススキル、生物統計・HTAの概要等の基礎知識です。受講料は法人賛助会員で 89,000円、非会員では130,500円とされています。MA部門所属者の教育研修プログラムという位置付けの資格ではありますが、MSL個人が保有可能な認定資格です。

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    一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)、レギュラトリーサイエンス エキスパート認定制度の概要、一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)ホームページ、https://www.pmrj.jp/nintei/html/frm010.php、2024年10月18日