メディカルプランの手法①-アンメット・メディカル・ニーズの特定

メディカルプランは製品の価値最大化を目的とした活動の計画である

メディカルプランは大きく分けて①アンメットメディカルニーズ(UMN)の特定、②UMNを解決するエビデンス創出の計画と実施、③学会や論文での発表、疾患啓発などエビデンス活用の計画、の3つの要素から構成されます(図)。これらは、いずれも製品の価値最大化というメディカルプランの目的に沿って策定される必要があります。

図 メディカルプラン策定の大まかな流れ

ステークホルダーからファクトとインサイトを収集する

UMNの特定に当たっては、まず当該疾患領域で影響力を持つ権威ある医師(KOL:Key Opinion Leader)とコミュニケーションをとる必要があります。製薬企業のパイプラインが少数の専門医が治療を行うスペシャリティケア領域にシフトしていく中、高度なトレーニングを受けたMSL(Medical Science Liaison)がKOLと交流し、関係を築くことにより情報提供とともに情報収集を行うことの重要度は増しています。このとき、並行して市場調査などを行うことにより、医師だけでなく患者さんからも情報を収集することが重要です。この際、メディカルアフェアーズ(MA)部門は市場調査部門が行う調査にレビューなどで参画することがあります。さらに、製品や疾患領域の特性により看護師など他のステークホルダーを対象に調査を行うことも考慮します。これらの活動により、当該疾患領域におけるファクト(事実)及びインサイト(事実に対する解釈)を収集することができます。

ファクトとインサイトは他部門と共有される

メディカルプランの策定・実施にあたっては他部門と連携した全社的な取り組みが必要となるため、得られたファクトやインサイトはMA部門内に留まらず関連部門にも共有され、部門間で当該疾患領域における認識を揃えるために用いられます。

ファクトとインサイトを基にUMNを特定する

収集したファクトとインサイトを基にUMNを特定していくことになります。時には複数のKOLを集めたアドバイザリーボードミーティングや、疾患啓発のためのメディカルエデュケーションイベントの企画を行うこともあります。より詳しい情報は、アンメット・メディカル・ニーズの項をご参照ください。