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ランダムでないサンプリングを伴う観察研究のデザイン②
ケースコントロール・マッチング
ケースコントロール研究のマッチングは、コホートとは全く性格が違います。結論だけ先に言うと次の通りです。
- ケースとコントロールのマッチングでは交絡を制御できません。
- むしろケースとコントロールのマッチングは、マッチする変数を調整することを前提に、調整可能な選択バイアスを導入する操作であり、マッチを層別(調整)した解析が必要です。
- この「解析で層別する」ことを前提とすると、通常のケースコントロールサンプリングと同じデータ数でも信頼区間が狭くできることがあります。
まずはコホートマッチで用いた「交絡のあるコホート」から、発症者383名のうちケース200名、非発症者のうちコントロール200名をサンプリングしてみます(発症者を全例使いませんが、イベント有無でサンプリング確率が変わるのでケースコントロール研究です)。発症者には200/363を、非発症者には200/23380をかけた期待分布は次の通りです。
| 男性 | 女性 | |||
|---|---|---|---|---|
| ケース | コントロール | ケース | コントロール | |
| 曝露あり | 22 | 9 | 28 | 35 |
| 曝露なし | 149 | 153 | 1 | 3 |
ケースコントロール研究で説明した通り、オッズ比の値は性別で見ても(男性3.04、女性3.00)全体で見ても(1.26でバイアスあり)サンプリング前と変わりません。性別の2つのオッズ比を、SASやJMPなど統計ソフトで計算できるMantel–Haenszelオッズ比として統合すると1現代疫学 原著第4版、Lash TL, VanderWeele TJ, Rothman KJ, Haneuse S, 編. 佐藤俊太朗, 芝孝一郎, 藤井亮輔, 後藤匡啓, 今村文昭, 監訳、学術図書出版、2024年、このケースコントロールデータでは
ORMH = 3.03(95%信頼区間:1.29~7.13)
となります。
この代わりに、総人数はそのままで(ケース200・コントロール200)、コントロールをケースの性別分布に合わせて頻度マッチングします。そのためには、ケースと同数のコントロール(男性は22 + 149 = 171、女性は28 + 1 = 29)をコホートの各性別内でランダムに選べばよいことになります。つまり、男性では171/(900 + 18000)、女性では29/(4000 + 480)の確率で非発症者からコントロールを選びます(太字が変わった部分)。
| 男性 | 女性 | |||
|---|---|---|---|---|
| ケース | コントロール | ケース | コントロール | |
| 曝露あり | 22 | 8 | 28 | 26 |
| 曝露なし | 149 | 163 | 1 | 3 |
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