この記事の概要
メディカルアフェアーズ(MA)の評価は、単なる活動量ではなく「製品価値の最大化」という最終目的への貢献度で測るべきです。これを実現するには、組織の目的から個人のKPIまでを一貫して設計することが求められます。
MAのKPI設定が難しい理由
MAは営業から独立しているため「売上」を目標にできず、明確な数値目標を設定できません。そのため、現状は「KOL訪問回数」といった活動量をKPIに設定する事例が多く見られます。
KOL訪問などの活動量をMAのKPIに設定すると生じる課題
MAの最終目的である「製品の価値最大化」に直結するとは限らない点です。活動量の確保は目的達成の手段に過ぎないにもかかわらず、それ自体が目的化しやすいことが最大の課題といえます。
MAのKPIを設定する方法
活動量そのものではなく、「医師の行動変容」といったMAの真の目的を定義することから始めます。そのうえで、製品ライフサイクルも考慮しながら、目的達成との連動性が高い指標(KOLとの信頼関係など)をKPIに設定することが重要です。
メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)評価の展望
従来の活動量評価に加え、MA組織の最終目的である「製品の価値最大化」への貢献度や、社内外との連携に不可欠なコミュニケーション能力といった「ソフトスキル」も重視した、より多角的な評価が進むと考えられます。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator)とは、業績を管理・評価するために設定する重要な指標のことを指します。KPIの設定にあたっては、KPIを達成することで組織の目標が達成できるか、が重要です。すなわち定点観測することで目標達成のための組織のパフォーマンスを把握し、ギャップが生まれた場合には活動を修正できる指標である必要があります。

MAにおけるKPI
メディカルアフェアーズ(MA)もまた企業の活動である以上、業績を管理・評価する必要がありますが、個人と組織を適切に評価できるKPIは確立されていないのが現状です。MAにおけるKPI設定が難しい最大の理由は、MAが営業活動から独立している必要があるため「売上」という明確な数値目標を設定できない1日本製薬工業協会、メディカルアフェアーズの活動に関する基本的考え方、日本製薬工業協会ホームページ、2019 年、https://www.jpma.or.jp/english/reports/drug_evaluation_committee/eplg5k0000000ekc-att/ma-jp_20190401.pdf、2024 年 4 月 10 日ことにあります。したがって、「活動量」を KPI に設定する事例が多いようです。
活動量を評価するKPIの例
MAの活動は多岐にわたりますが、キーオピニオンリーダー(KOL)訪問、エビデンス創出、医学・科学的情報の発信が代表例として挙げられるでしょう。それらの活動量を評価するためのKPIとしては、KOL訪問回数及びInsightの収集数、論文・学会発表数、アドバイザリーボードの開催回数などが考えられます。
活動量を評価するKPIの問題点
前述の通り、MAにおいては活動量を評価する指標をKPIとして用いられることが多いですが、KPIの定義に立ち戻ると問題があることがわかります。これらの指標では、必ずしもMAの「目標達成のための組織のパフォーマンス」を測定することができないからです。KOL訪問やエビデンス創出を始めとするMAのすべての活動は手段であり目的ではありません。次ページ以降では、MAの目的を意識したKPI設定について述べます。
この記事はメール会員専用の記事です。
メール会員登録すると続きをお読みいただけます。