ここでは、アンメット・メディカル・ニーズ(UMN)に関する情報収集のために、学会をどのように活用するかについて解説します。UMNを把握する目的と手法については、それぞれ「アンメット・メディカル・ニーズ(UMN)把握の目的」、「アンメット・メディカル・ニーズ(UMN)把握の手法」にて解説していますので、そちらを参照してください。
関連学会を介した情報収集
対象とする疾患領域に関連する学会への参加は、その疾患領域の最新の研究動向や治療法を知ることができ、UMNを理解する一助となります。また、医師などの医療従事者や研究者と情報交換することにより、UMNへの新たな視点が得られる可能性があります。
学会には、「国際学会」、「国内学会」、「専門分野に特化した学会」などがあります。大規模な国際学会は、幅広い分野・疾患領域をカバーしていることが多いため、医療全般の最新動向やイノベーション、グローバルな視点でのUMNを把握することができます。国内学会では、国内での最新の研究動向や国内特有の課題に焦点があてられた報告がされるため、ローカルな視点でUMNを把握することができます。特定の疾患領域についてのUMNを深く把握するためには、専門分野に特化した学会へ参加することも有用です。
また、学会は医師などの医療従事者や研究者との新たな関係を築く場としても有用です。ポスターセッションやプレゼンテーションへ参加し、発表者と積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
学会に参加したあとは、学会で得られた知見や新たな関係性を日常業務や自社製品にどのように活かせるかを検討する必要があります。
学会レポートの作成
学会で学んだことを社内共有することで組織全体の知識のベースアップに貢献することができます。学会で得た重要な知見や発見、とくに自社製品や研究領域に関連する情報についてレポートを作成します。レポートの作成は、作成者自身の理解を促進する助けになるとともに、社内の関係者と共有することで関係者への知識の普及や認識合わせにも役立ちます。学会で得られたエビデンスやUMNの情報をレポートとして整理しておくことで、新たな研究の提案や既存研究の改善を検討する際の情報源として利用することも可能です。学会での学びを自身の業務にどのように活かし、どのようにしてそれを自社の製品育成に結びつけるかが重要です。
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