治験で取得したデータの活用事例
ここまで、開発段階で患者のQOLをはじめとするデータをタイムリーに取得することが費用対効果評価制度対応に重要であることをみてきましたが、取得したQOLデータは制度対応の範囲に留まらず、製品価値最大化のためのエビデンスとして有効活用できる可能性があります。
例えば、QOLに関するデータは、アンメット・メディカル・ニーズを表す一つの指標として捉えられます。既存の治療を比較対照とした新薬の治験でQOLを測定した場合、既存の治療を受けている患者のQOL値を、一般の国民のQOL値と比較することでその疾患による疾病負担を定量的に評価可能です。また、その上で、新薬の治療を受けた患者では、既存の治療に比べてその負担がどの程度軽減できるのかを評価できます。これらをエビデンスとして発信していくことがMA部門の役割として期待されます。
このように、臨床研究に関するMA部門の取り組みは、医療環境における幅広い課題を明らかにし、より改善された環境を実現する礎となります。
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