メディカルプランの効果測定

メディカルアフェアーズ(MA)業務において、メディカルプランを実行した際、営業の売上のようにその結果が直接数字で表されることはありません。メディカルプランは、その目的をいかに達成できたかによって評価されるべきでしょう。メディカルプランの手法の項では、メディカルプランの目的として大きく①アンメット・メディカル・ニーズ(UMN)の特定、②UMNを解決するエビデンス創出、③エビデンス活用の3点を挙げました。

UMNの特定

メディカルプランではUMNを特定することを目的として、医師や患者さんから面談やアンケート調査を通じてファクト(事実)及びインサイト(事実に対する解釈)の収集を計画します。メディカルプランとしての目的はUMNの特定であるため、MAの活動を評価するKPIとして設定されることのある、ファクトやインサイトの創出件数(量)のみならず、エビデンス創出計画立案につながるクリニカルクエスチョン(CQ)を特定することができたかどうか、質的な視点で判断することが望ましいのではないでしょうか。

エビデンス創出

メディカルプランでは特定したUMNに対してエビデンス創出計画を立案します。製品ライフサイクルの各フェーズにおいて必要なエビデンスは異なるため、仮説が検証され想定したエビデンスが創出できたか、に加え、適応追加の承認、費用対効果分析の対象指定、特許切れなどの予定した期限までにエビデンスが創出できたかにより評価されることが望ましいです。仮説が検証されなかった場合にメディカルプランを適切に更新し、次のエビデンス創出計画につなげることも重要です。

エビデンス活用

メディカルプランでは創出されたエビデンスを基に、メディカルマテリアルを作成、疾患啓発イベントを実施するなどして、ステークホルダーとコミュニケーションを行っていきます。MRやMSL活動を通じて、これらのコミュニケーションは疾患の認知向上、診断割合の増加、適切な検査の実施、薬剤の適正使用などの理解浸透を意図して行われますが、その効果を情報提供の活動量以外で測定することは困難なのが現状です。ただし、情報提供にデジタルを活用した場合は、コンテンツの閲覧割合に加えて閲覧者への追加アンケートの実施によりエビデンスに基づく活動の効果を測定できます。